<神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会>

<神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会>の共同代表で知り合いの森桜さんが、下記要望書への賛同を募ってみえます。

ご賛同よろしくお願いします。


以下森桜さんからのメールより抜粋・・・


※参考資料
「新国立競技場 100年愛せる景観か」『東京新聞』(130923)
http://p.tl/_GxV
「新国立競技場」最優秀作品(ザハ・ハディド)http://p.tl/-tvz

◎以下、趣旨文
秋も深まってきました。
昨2012年、新国立競技場のデザイン・コンクールが行われ、千駄ヶ谷の
駅前、神宮外苑に巨大なボリュームを持つザハ・ハディド氏(イギリスの建
築家・イラク出身)の案が最優秀作品となりました。これに対し、2013
年8月号の『JIA MAGAZINE』での建築家 槇文彦さんの問題提起にはじま
り、専門家の間ではさまざまな議論が行われています。

以下は、東京の景観に深くかかわるこの問題を市民の立場から論議し、国や
都に疑問と要望を伝えていくことを趣旨としています。下記の要望書に賛同
してくださり、お名前を賛同者名簿にお載せしてよい方は、11/17(日)
までに森桜のこのメールアドレス(morisakura@nifty.com)までご返信を
お願いします。かならず、お名前、肩書き(職業 or 関わっている市民団体
or 居住区、新宿区とか京都市とかのうち一つ以上)をお書きください。

この新国立競技場は2020年のオリンピック・パラリンピック、2019
年のラグビー ワールドカップにも使われる予定のため、建設が急がれそう
です。市民のイニシアティブ発揮にもそう時間がありません。意見や文言の
修整をいただいて、事務局で論議の上、可能な限り、反映させていただきま
す。

◎以下、要望書原案(改良中)

平成25年11月@日

宛先(それぞれに)
内閣総理大臣安倍晋三様
文部科学大臣下村博文様
東京都知事猪瀬直樹様
独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長河野一郎様

差出人
新宿区神楽河岸1-1 セントラルプラザ10階
東京ボランティア活動センター気付
Emai 準備中

神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会
共同代表:大橋智子(大橋智子建築事務所)、上村千寿子(景観と住環境を
考える全国ネットワーク)、清水伸子(景観と住環境を考える全国ネットワ
ーク)、多田君枝(「コンフォルト」編集長)、多児貞子(たてもの応援団
)、日置圭子(地域文化企画コーディネーター・粋まち代表)、森 桜(ア
ートコーディネーター・森オフィス代表)、森まゆみ(作家・谷根千工房)
、山本玲子(全国町並み保存連盟)、吉見千晶(住宅遺産トラスト)

神宮外苑の風致・景観と新国立競技場の建設再考のお願いについて

秋も深まり、貴台におかれましてはますますご清祥のことと存じ上げます。

さて2020年のオリンピック・パラリンピックの会場として新国立競技場
の建設が建築家や建築・都市計画の研究者に広範な論議をよんでおります。

私達は市民の立場から、国際平和と地球の未来に寄与するオリンピックの開
催を心から願うとともに、税金をもって建設される国立の競技場について質
問と意見を申し上げます。

当該地・明治神宮外苑(新宿区霞ヶ丘町一番一号)は都心の風光明媚なとこ
ろで、明治神宮、新宿御苑にも近く、赤坂御所に隣接し、都の風致地区第一
号に指定されております。
大正6年、青山練兵場跡地に明治天皇の業績を残すため神宮外苑は造営さ
れ、陸上競技場、水泳場、相撲場などが作られ、わが国のスポーツ発展の
牽引力となってきました。
明治神宮体育大会(現在の国体)、六大学野球、開かれなかった1940年
のオリンピック、1943年出陣学徒壮行会、一時米軍に接収された国立競
技場、戦後の復興、自転車練習場、1964年の東京オリンピックなど、た
くさんの歴史と悲喜こもごものエピソードが埋め込まれ、それは都民・国民
の個々人のかけがえのない記憶ともつながっています。
また維新以降の明治史を著名な画家が描いた聖徳記念絵画館(重要文化財)
を正面にする銀杏並木は、東京で最も美しい並木道として都民の憩いの場と
なっております。この景観と歴史の痕跡はけっして壊してはならないもので
す。しかし昨2012年の日本スポーツ振興センターのコンクールで最優秀
とされた案にはさまざまな問題点を指摘せざるを得ません。

そこで以下、7項目について、ご回答をどうぞよろしくお願いいたします。

1、風致地区のそれまでの15メートルという高さ規制を逸脱した75
メートルのものであること。都の都市計画審議会は、この規制緩和につ
いて市民に開かれたなかで十分論議を尽くしたのでしょうか?

2、現在都民に愛されている千駄ヶ谷駅前、東京体育館に隣接して巨大なボ
リュームを持つこと。十分な敷地もないため狭隘感、威圧感を与えるのでは
ないでしょうか?

3、最優秀案は1300億円というコンクールで与えられた条件をクリアし
ていません。「1964年の東京オリンピックの遺産を活用しコンパクトな
五輪を目指す」という公約と矛盾しないでしょうか?

4、現在の都営霞ヶ丘住宅に住んでいる住民を追い出す計画であること。オ
リンピックのために、普通の市民の生活が脅かされるのは困ります。

5、東日本大震災の復興と東京電力福島第一原発事故収束が目下の国の最優
先課題であることは言うを待ちませんが、建築資材、職人の払底のなかで巨
大新競技場建設はその
阻害要因にならないでしょうか?

6、8万人収容のスタジアムがオリンピック後、どのくらい有効活用される
のか、見通しがあきらかでないこと。日本および東京の人口が縮小に向かう
今日、建物の運営やメンテナンスを含め、未来世代への巨大なツケにならな
いでしょうか?ランニングコストの試算があれば、お示し願いたいと思いま
す。

7、また日本スポーツ振興センターは、2010年度に現在の国立競技場を補
強・改修して使い続けることを検討し、久米設計に調査を委託したところ、
700億円という試算が出たと報道されています。この内容の公開をぜひとも
お願いいたします。

都民・国民である私達は、神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたすために
「1964年の競技場を改修・リデザインして、風致地区とその景観を守る
とともに、日本のほこる「もったいない」という物を大事にする美風、江戸
からのリサイクル・リユースの伝統を世界にアピールする、環境にローイン
パクトな国立競技場計画」を要望します。

そのほうが「過去の未来主義の産物」と海外で論評されるような当選案の実
現よりも、はるかに「クール・ジャパン(日本てなんてかっこいい!)」と
いわれるものになると思われます。住宅と同様、設計者が施主の予算を遥か
に超えるプランを出した場合は、それが実現しないとしても責められるいわ
れはありません。

現競技場に、仮設スタンドなどを加え、職人の手技をつたえる聖火台も残
し、美しく改修して再利用することで、大幅なコストダウンはもちろん、
東京で2度めの五輪を開催することのメッセージを世界にスマートに打ち
出せるのではないかと思います。いみじくもコンクールの審査委員長安藤
忠雄氏がいわれたように、競技場は広く市民の論議をふまえ、みんなに愛
され、オリンピック後も活用されるものでなければなりません。関係各位
のオリンピック誘致のご努力に敬意を表し、またコンクール開催は民主主
義のルールに則ったものであることも承知しておりますが、だからこそ計
画は広く市民の論議で磨き上げる必要があると思います。

貴台におかれましては、市民の声に応え、新国立競技場計画をぜひとも再
考していただきますようお願い申し上げます。
by i-sekkei | 2013-11-09 07:54 | Comments(0)


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